SBR
さて、前回、タイヤの原料は、天然ゴムとSBRとのお話をさせていただきました。
SBRとは、スチレンとブタジエンを原料にもつ、合成ゴムであり、天然ゴムの代用として作られました。
この原料のブタジエン、これを聞いたことがある人は殆どいないと思います。
現在、原油や、ガソリンは注目されていますが、このあたりが注目されておりません。原油は、ガソリンや軽油のみを作るものではないため、原油が上がったから、物価が上がったともならないですし、このあたりのことを理解することもインフレや民主主義や一党支配を理解する上で非常に重要となります。
そして、これが結構生命線だったりします。
ブタジエンは、SBRの他にABS(自動車内装部品、生活用品)、NBR(自動車内装部品、工業用品)の原料となります。
ブタジエンの価格は、高い時には、3,000ドル/トンを超えたことがあり、最安値は、コロナの2020年は、300ドル/トンとなったことがありました。現在は、1000ドル/トンあたりですが、このレベルでは、採算がとれないはずです。1500~2000ドルあたりがブタジエンでは、採算が取れるレベルと経験では、感じております。
そして、ブタジエンは、ナフサを原料とし、ナフサクラッカー(分解装置)から作られます。そして、ブタジエンは、ナフサクラッカーからブタジエンのみを製造することができないのです。
またまた馴染みがない単語が出てきました。
次回、ナフサにつきましてお話させていただきます。
ブタジエン、是非、本日は、このブタジエンを覚えていただければと思います。このブタジエンも皆様の生活に非常に重要な原料の一つです。
この価格がどのように推移しているのか、それも頭に入れておくのも非常に有意義なことだと思います。
2021.11.29