FEC

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この単語でパッと頭に浮かぶ方は、あまりいないかもしれません。若しくは、貨幣を勉強された方は聞いたことがあるかもしれません。

さて、前回、ミャンマーのブログを書きましたが、ミャンマーは、以前、FECという独自のミャンマードル(通称)を発行しておりました。

当時は、空港で、300ドルを強制的に、FECへ交換させられたのを覚えております。地球の歩き方にも記載されていた曖昧な記憶がありますが、空港で、5~10ドルの賄賂を渡せば強制交換を免れるとの噂がありました。数回空路でヤンゴン入りしましたが、賄賂を要求されることはなく、やはり強制的にFECにドルを変えられてしまいました。

公には、ドルの使用は禁止され、FECが公用通貨であったのですが、外国人の私は、現場では、FEC、チャット(ミャンマーの通貨)より、ドルが喜ばれました。

それほど、ドルが、ミャンマーに関わらず、カンボジア、ラオスなど、中国の周辺の国々で好まれていました。それは、中国にとり、ドルの支配が身近までひしひしと迫っているのを強く感じていたでしょう。

ミャンマーは、1962年に国軍が政権を掌握後、1990年にスー・チー氏率いる国民民主連合(NLD)が勝利するも、国軍がそのまま、政権を維持していました。経済制裁もあり、外貨獲得手段として、1993年に開始されたのが、このFECでした。

2003年に廃止されましたが、この背景は、何があったのでしょう。

1993年は、外貨獲得のため、FEC発行しましたが、2003年は、中国が、ミャンマーを含む近隣外交諸国との関係強化を強めた年でした。1990年代から2000年代にかけ、ご存知の通り、中国の経済発展がすさまじく、1999年の中国の西部大開発からミャンマーとの関係が強化され、そして、ミャンマーの豊富な天然資源がターゲットにされたことは、言うまでもありません。

世界でも孤立したミャンマー国軍を支え続けたのは、中国です。

そして、2003年、「睦隣、安隣、富隣」(善隣友好、近隣関係の安定、近隣国の経済成長促進)の政策を打ち出したのです。中国は、世界の基軸通貨の一つとして、元を推奨していたため、ミャンマーとしては、中国との関係上、ドルを基準としたFECの廃止をせざるを得なかったとみることはできないだろうか。

そして、同じ時期、シャン州は、〇〇党の実質支配下に置かれたのである。

このFECという紙幣?から、世界を見るのも面白いですね。

2021.11.11