適正市場価格とは?
当社は、海外のオークション(主にヘリテージオークション)結果が適正市場価格であると考えております。
海外のディーラー間でもオークション価格が基準となっており、スラブに入った段階で世界の価格基準は共通となります。
海外の適正価格の確認方法は米国のヘリテージオークションが一般的です。
ヨーロッパではスイスのHess Divo、ドイツのKunkerも有名ですが、一番確認しやすく、有名なオークション会社がヘリテージとなります。
当社はアンティークコイン(*)のみを扱っておりますが、例として、ここ数年日本で人気となったジョージ6世、ヤングエリザベスの海外の価格(適正価格)を見てみたいと思います。
*アンティークコインとは世界恐慌(1929年)の後に金本位制の時代が終焉した時期を世界では基準としているため、当社もその基準を採用しています。
1. ヤングエリザベス
ここでのヤングエリザベスとは、1980〜1984年の間に発行された5ポンドプルーフ金貨を表します。
コインをネットで調べたことがある方は、このヤングエリザベスの画像を一度は見たことがあるかと思います。
〜ヤングエリザベスの歴史〜
モダン金貨のため発行より長年地金+10%で販売されていたコインです。金の価格が上昇していましたが、それほど販売数が伸びなかったため一定数のコインは金として溶解しディーラーが利益を得ていました。また、昨年は日本市場でバブルであったコインで、ヤフオクでもよく出品され販売となっていたと記憶しています。
下記は2016年1月ヘリテージでの落札価格です。
*ヘリテージオークションHPより抜粋
1981年 5ポンド金貨 PF69UCAM 3,055ドル = 393,157円
三菱東京UFJ 2016年1月15日 TTSを使用(1ドル119.16円)
① 発行枚数
モダンコインで1,000枚を超えていると発行枚数は多いと言える中、やはりこの発行枚数が大きな懸念点です。
総発行枚数:24,995枚
1980年 10,000枚
1981年 5,400枚
1982年 2,500枚
1984年 7,095枚
② 鑑定枚数
6月5日時点で1,207枚
69、70の2つのグレードで921枚あり、70鑑定で116枚(1980年23枚、1981年15枚、1982年22枚、1984年56枚)あります。
現在、毎月50枚程鑑定枚数が増えており、このままの増加が続くと来年の12月には2,000枚を突破する勢いとなっています。
そのため、いつでも購入できる(=希少性がない)コインと言えます。
2. 1937年 ジョージ6世 5ポンド
発行枚数:5,001枚
海外では1937年はモダンコインであり、ヤングエリザベスと位置づけは同じです。
2017年4月の高鑑定グレード品のオークション結果を見てみます。
PF65CAMは、セットで16,450ドルで2017年4月に落札されています。2〜ハーフポンドまでは、イギリスで4,300〜4,500ドルで販売できるため、PF65CAM 5ポンド単体の実勢価格は12,150ドル(約145万円)となります。
PCGS PR65DCAM以上はそれほど市場に出てこないため適正価格の判断が難しい点がありますが、ジョージ6世は一定の需要があるため、NGC PF66UCAM、PCGS PR65DCAM、 PR66DCAMであれば下落リスクは少ないと考えています。
参考までにグレード毎の過去のオークション結果となります。
(単位:上段ドル、下段万円)
PR63CAMは昨年から3割下落しており、モダン金貨は発行枚数、鑑定枚数が多く、人気のみに左右され下落しやすいコインと言えます。
プルーフ60以上の鑑定枚数が645枚と多く、どのサイトでも見かけるため希少性はありません。(64鑑定:214枚、65鑑定:100枚、66鑑定:38枚、67鑑定:5枚)
海外価格を参考にご購入されることを、当社ではお勧めしております。